山深い林道。
部分的にしか舗装されていない悪路を進むと、ひっそりと佇む名店がある。
「海鮮料理 かねやま」だ。
森の中で海鮮料理?!
平日とはいえ、お昼時ともなると駐車場はすぐに満車となる。
他県ナンバーのクルマもちらほら見られるが、地元らしき客も多く来店する。
メニューは大きく分けて、
さしみ定食、天ぷら定食、海老フライ定食の3種類。 いずれも海鮮がウリの食事処だ。
いつも頼むメニューは決まって大海老フライ定食。
これが目当てで来店する客も多いらしい。
特大サイズの海老フライが3本。きゅうりの浅漬け、つみれ入味噌汁。
衣は薄くサクサク。ありきたりの表現だが、エビはぷりぷりで歯ごたえ充分。
こちらは上さしみ定食。仕入れ状況によっても変わるらしいが、この日のさしみは、中トロ、赤身、タコ、ホタテ、甘海老、タイ。
特に中トロは甘みと溶けるような食感が絶品だった。
森の中なのに絶品海鮮料理が堪能できる名店といえよう。
食後に散歩。
かつては何もなかった場所。今では立派な道の駅「明治の森・黒磯」が整備されている。
道の駅が整備される前から青木邸はあったが、廃墟と化していた。
あちこちに穴が空き、草木が生い茂り、実に不気味な洋館だった。
が!
今ではこんなに立派に復元されている。
明治時代にドイツ公使や外務大臣を務めた青木周蔵氏。
明治21年(1888年)に青木家那須別邸として建築され、平成11年(1999年)12月には国重要文化財に指定された。
通称「青木邸」。
平成18年(2006年)から解体調査を実施し、元の位置から南東約50m移動して復元、改修され現在の形となった。
設計者は、ドイツで建築学を学んだ松ヶ崎萬長氏。七十七銀行本店や台湾鉄道ホテルの設計を手掛けたことで知られる人物だ。
この青木邸は、日本に残る萬長氏唯一の作品とされており、ドイツ様式の構法を採用した貴重な近代建築だ。
かつての不気味さはなく、精悍な印象へと変わっていた。
「とちぎ明治の森記念館」として、一般開放もされており、大人200円、小中学生100円で観覧が可能で、
明治時代の貴重なドイツ式近代建築を堪能できる。
帰りに那珂川沿いにある「鳥野目河川公園オートキャンプ場」をふらっと散策。
なんてことはない写真を気の向くままに撮ったので、ざっとご紹介。
今回の旅で、あらためて地元の自然豊かな情景の数々に感動した。
「那須高原」という観光地ではあるが、特に大人気スポットというわけではない。
そういった場所こそ、本当の意味での「観光」ができる。
※写真はすべて無加工、JPEG撮って出し