免許を取得して18年。これまで、様々なクルマに乗ってきた。
ハンドルを握ったクルマを挙げるとキリがないが、試乗も含めるとおそらく100車種は超える。もちろん長年乗りこんだクルマもある。
その中でも、所有感を満たしてくれたクルマを紹介していこうと思う。
※なお、当時の実写写真はまったくないので、三菱自動車のホームページから画像を引用させていただいた。
1996年から2002年まで生産されていた三菱「レグナム」。
中でも最上級グレードである「レグナム VR-4」は一言で言うと“トガッたクルマ”だった。
燃費もすこぶる悪いし、純正マフラーであってもうるさい。
しかし、4WDゆえの安定した走りに、いつも興奮からくる深いため息をついていたものだ。
内装はブラックの本革シートにシートヒーター。オートリクライニング、サンルーフ、木目調パネルを使用した高級感あふれるインパネ。
当時としてはフル装備だったはず。
それでいて、じゃじゃ馬のような加速感。
例えるなら、“品の良さそうな暴れ馬”といったところか。
当時人気だったスバル レガシィツーリングワゴンに対抗するため、スポーツセダン「ギャラン」のワゴンバージョンとしてレグナムを市場投入。
スタイリッシュなフロントフェイスや広い居住スペース、実用性の高い荷台が高評価となり、いずれのグレードも人気を博した。
中でも最上級グレードであるVR-4は現在でも高い人気を保持している。
VR-4には「アクティブヨーコントロール(AYC)」を標準装備しており、走行性能が高められている。
AYCは、ハンドル角、速度、ブレーキ、旋回時Gなどにあるセンサーを基に左右の後輪の移動や駆動をコントロールする、三菱自動車が開発したシステムだ。
これにより、旋回中に発生するヨー・モーメント(スリップやスピンなど)を制御し、旋回性能の向上が実現している。
スペックを確認しておこう。
※レグナム 2.5 VR-4 タイプS 4WD
新車時価格:334万6920円(税込)
排気量:2.5L
馬力:280ps
燃費:実測でリッター6km/hくらい
上記の画像はレグナムが発売された当時に新車として登場した三菱のクルマたち。
レースで輝かしい戦歴を残した「ランサーエボリューション」の4世代目となる「ランエボⅣ」は今でも人気がある。
三菱らしい本格SUV「チャレンジャー」や「ストラーダ」は当時のSUV製造における技術力の高さを見せつけた。
ミニバンの先駆けとも言える「RVR」や「シャリオグランディス」、商用軽自動車の代表格ともなった「ミニカ」などもクルマ業界を牽引した。
そうした中で誕生したレグナムは、1996年に日本カーオブザイヤーを受賞した。しかし、三菱自動車はレグナムを最後に同賞を受賞していない。
この時代は三菱自動車が一番輝いていた時代と言っても過言ではないのかもしれない。
これまで所有してきたクルマの中では、最高馬力の280ps。
ほんの少しアクセルを踏んだだけで、重低音を響かせながらするどい加速を魅せる。
その分、ブレーキも効きもいいため、ブレーキワークには若干のコツがいる。
うまくブレーキをかけないと、急ブレーキになりかねない。自分自身も何度となく信号停止時に急ブレーキになりかけたものだ。
乗り心地はかなり良かった。ただ、オールフルレザーなので、直に座ると冬は冷たく、夏はキンキンに熱くて座れない状況だった。
ちなみにハンドルもハーフレザーだったので、夏は熱くて握れなかったことも。
2019年7月現在、中古車市場で流通しているレグナムVR-4は5台。最安値で29万円、最高値で89万円。
発売から23年が経過しているクルマとしては若干高めな値段だろう。
今から乗るには2500ccという大排気量と燃費の悪さが足かせになって、扱いにくいクルマとなるのは間違いない。
ただ、今でも中古車市場では人気があるクルマなので、機会があれば試乗(所有していたけど)くらいはしてみたい。
トガッていた昔(←クルマが!笑)に思いを馳せながら。