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あなたの知らない腕時計の世界①

時計の聖地 スイス

今回はむろブログ初の腕時計特集。

世界には数多くの腕時計ブランドが存在する。腕時計は着用しないという人も多いと思うが、やはり公式の場では着けているのといないのとでは印象が違う。

そこで今回、時計界を牽引する時計メーカーを紹介していこう。

まず、下の表を見ていただきたい。

この中に、知っている、あるいは、気になっている、欲しいと思っているブランドはあるだろうか?

そもそも、どのくらいのブランド名を知っていただろうか?

数年前にネットで話題になった時計界の相関図を再解釈(むろブログ作)

時計界の名だたるブランドのほとんどがスイスを創業地としていることがわかるだろう。

これは、スイスでは厳しい冬の間、やせた土地では作物が育たず、各家庭では昼間は酪農を細々とやりつつ、夜は屋根裏でひっそりと時計を製作して、生計をたてていたことに由来する。こうした各家庭での時計製作が現在の名門ブランドへと発展していったのだ。

スイスのほか、フランスやドイツでの時計製作も盛んに行われたこともあり、スイスに次ぐ世界的な時計の産地となっている。

日本での知名度が高い「ロレックス」や「オメガ」は、ブランド力こそ高いが価格帯は(時計界では)平均的なことがわかる。ロレックスは現在でこそ本社はスイスに構えるが、創業地はイギリス・ロンドンであることもあまり知られてはいない。

世界5大時計メーカーとは?

世界5大時計ブランドといえば、「パテックフィリップ」「ヴァシュロンコンスタンタン」「オーデマピゲ」「A.ランゲ&ゾーネ」「ブレゲ」の5ブランドを指す。

順に紹介していこう。

※表記価格は2019年6月現在のもの すべて公式HPより

①パテックフィリップ

【創業】

1839年 スイス

【価格帯】

200万円台~5億円以上

【特徴】

創業当初から竜頭巻き上げ式時計やミニッツリピーター(時刻を鐘で知らせる機構)などの超複雑機構を展開。様々な時計ブランドの中で、個人で買える既製時計ブランドとしては世界最高峰と称される、160年以上続く名門中の名門。たとえ100年以上前に製造された時計であっても、絶対に修理やメンテナンスを断らないという、まさに一生モノの時計を世に送り出している。創業当初からすべての購入者を名簿で管理しており、時計の製造番号さえ分かれば所有者や購入した年などが分かるようになっている。顧客にはヴィクトリア女王、アインシュタイン、チャイコフスキー、ウォルトディズニー、クラークゲーブルなど歴史的著名人も多い。

【代表作】

「カラトラバ」「グランド・コンプリケーション」

カラトラバ5196G 259万2000円
5370Pグランド・コンプリケーション 2934万3600円

②ヴァシュロンコンスタンタン

【創業】

1755年 スイス

【価格帯】

200万円台~約2億

【特徴】

約260年以上途切れることなく時計を製造してきたブランドとしては世界最古の老舗。数々の複雑時計を開発してきたことで知られる。ブランドのロゴともなっている「マルタ十字」は1770年に製造された初の複雑時計のケースの形状が由来となっている。

【代表作】

「パトリモニー」「メティエダール」

パトリモニー・オートマティック 303万4800円
メティエダール・レ・アエロスティエ-パリ1783 時価

③オーデマピゲ

【創業】

1875年 スイス

【価格帯】

200万円台~1億円ほど

【特徴】

永久カレンダー機構を搭載するなど、早くから超絶機構を実用化し「奇跡の手」と称えられてきた時計界きっての実力者。時計界において超複雑時計というジャンルの頂点に君臨してきた。時計に使用される素材は金無垢が当たり前だった高級腕時計においてはじめてステンレスを使用したことは時計界に大きな衝撃を与えた。時計内の潤滑油を必要としない「APエスケープメント」や、軽くて硬い素材「フォージドカーボン」を発表するなど、数多くの技術革新を成し遂げてきた。

【代表作】

「ロイヤルオーク」「ミレネリー」

ロイヤルオーク・オートマティック 216万円
ミレネリー・フロステッドゴールド アヴェンチュリンダイヤル 599万4000円

④A.ランゲ&ゾーネ

【創業】

1845年 ドイツ

【価格帯】

200万円台~4000万円台

【特徴】

ドイツの宮廷時計師だったランゲ氏が創業。クロノグラフ懐中時計や自動巻き懐中時計などを製作して名を馳せた。ドイツらしい高い技術力が光る名門マニュファクチュールだ。第二次大戦後に国有化されたり、工房が全焼したりと苦難が続いたが、東西ドイツが統一された際に復活を果たした。代表作である「ランゲ1」は時針と分針が分かれて配された特徴的なデザインであり、黄金比が使われていることでも有名。

【代表作】

「ランゲ1」

ランゲ1 約400万円
トゥールボグラフ・パーペチュアル“プール・ル・メリット”約6000万円

⑤ブレゲ

【創業】

1775年 フランス

【価格帯】

100万円台~6000万円台

【特徴】

天才時計師アブラアン-ルイ・ブレゲが創業。時計の歴史を2世紀早めたと言われるほど様々な機構を開発したことで知られ、世界一著明な時計師とされる。おもりの振動でぜんまいを巻き上げる自動巻き機構「パーペチュアル」や、時計の精度と安定を保つ機構「トゥールビヨン」などの開発に成功。ブレゲ氏の顧客にはマリーアントワネットやナポレオンなどがいたことはあまりにも有名だ。

【逸話】

マリーアントワネットはブレゲの時計の熱狂的な愛好家だった。1783年、ブレゲの工房に王妃アントワネットの礼賛者という謎の人物が現れ、当時のありとあらゆる時計技術を駆使した最高の時計を彼女のために注文。可能な限り金無垢を使用して複雑機構をできるだけたくさん搭載してほしいと依頼。その際、費用や期間は設けなかった。

しかし、マリーアントワネットが時計を手にすることはなかった。時計が完成したのは王妃アントワネットが亡くなってから34年後のこと。注文を受けてからすでに44年が経過していたのだ。ブレゲ自身も時計が完成する4年前に死去している。

1160 マリーアントワネット

マリーアントワネットへ送られる予定だった時計「1160 マリーアントワネット」はその後、約2世紀に渡って時計界やコレクターの元を転々とする。1983年にエルサレムの美術館に収蔵されていたこの時計は盗難にあうが、2007年12月に発見されている。

【代表作】

「クラシック」「マリーン」

クラシック5157 219万2499円
マリーン5823 635万400円

今回紹介した時計ブランドは、そう簡単に手の出せるものではない。

次回はより実用的な時計ブランドを紹介していこう。

【予告】あなたの知らない腕時計の世界②~実用ブランド特集~

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