1919年、ロンドンにベントレー・モーターズが設立されてから、今年で創業100周年を迎える。
ル・マン24時間レースなどに積極的に参戦。何度も優勝するなど輝かしい成績をおさめ、名実ともにベントレーは高性能スポーツカーメーカーとして名を馳せた。
その後、1931年にはロールスロイスに買収され、レースへの参戦を封じ込められたが、1971年になると親会社ロールスロイスが倒産。国有化され、行き場を失う。
1998年になると、買収されるのか?されないのか?というすったもんだの末、ベントレー(ロールスロイス含む)の生産拠点と商標権はフォルクスワーゲンが、ロールスロイスのロゴだけBMWが買収した。
2004年、フォルクスワーゲン傘下になり新生ベントレーとなってはじめて登場したクルマ「Continental GT」は大ヒットを記録。ベントレーの復活を象徴する一台となった。
今回、そのContinental GTに100周年を記念した特別なモデルが登場する。
ベントレーボーイズとして活躍したレーシングドライバーのヘンリー・ラルフ・スタンレー・ティム・バーキン卿が乗っていた、レースでの勝利を確信して作られたモデルが「4 1/2 ブロワー」(写真上)だった。そのエントリーナンバーであるNo.9の車両はル・マンに参戦した際に使用されたもの。
今回発表された新型Continental GTの100周年記念モデルには、フロントにその数字「9」があしらわれている。
ボディはビリジアングリーンとベルーガブラックの2色展開。
やはり当時のブロワーを思い出させるビリジアングリーンが映える。
内装のレザーにもグリーンとブラックの2色が用意。
写真上は外装に合わせた、カンブリアグリーンと呼ばれるシックな内装カラー。落ち着きすぎず、派手すぎない、深緑のレザーがふんだんに使われている。
センターコンソールには、光の反射を抑える「ターンドアルミニウム」を採用。1920年代のレーシングカーや航空機に採用されていたものを再現している。
さらに、1930年にバーキン卿とともに駆け抜けたブロワーの運転席から実際に回収された木片部品を、新型の運転席のローテーションディスプレイ中央にライトで浮かび上がるように配置されている。コレクターの気持ちをよく理解した演出だ。
このクルマの魅力はなんといっても、100周年を記念したカラーや装備品の数々だが、スペックも確認しておこう。
●エンジン:6.0L ツインターボチャージドW12 TSI
●馬力:635ps
●トルク:900Nm @1350-4500rpm
●最高速度:333㎞/h
●0-100加速:3.7秒
●航続距離:800㎞
●ガソリンタンク容量:90L
価格は公表されていないが、100台限定生産、ベントレー自身コレクターズカーを謳っているだけあって、今後、価格が高騰していくことは間違いなさそうだ。今のうちに買っておけば数年後には購入価格を大きく上回ることになるだろう。